4.当て皮の作り方

4.当て皮の作り方

バレンの仕上がり径は
12cm,12.5cm,13cm,13.5cm 各種です

標準的な径は12cmですが、私は更に小さな11cmのバレンまで作っています。

4-1 和紙を貼る木型の作り方

 ノミで切り落とし、ヤスリで磨きます

当て皮の木型12cm,12.5cm,13cm,13.5cm 各種
など、自分流の道具を工夫する楽しみがあります。


4-2 材料となる、和紙の大小型紙

当て皮の作り方は、薄い和紙で、径の違うものを50枚ほど、朝一枚、夕方一枚、木型に貼ってつくります。大体1ヶ月くらいで貼り終えます。

私は「美濃和紙の厚口」(名前は厚口でも、薄い和紙、サイズ60×90cmほど)を2枚

値段はだいたい2枚で2,500円くらい。

ボール紙の型紙を和紙にあて、鉛筆で○を書き、大小の和紙をハサミで切っておおよそ50枚の和紙を事前に準備しておきます。

50枚の和紙
木型13cmのバレンの場合
型紙の直径と、切り出す紙の枚数(参考値)
① 木型より少し大きい紙   → 16cm 20枚
② 木型と同じ大きさの紙   → 13cm 10枚
③ 木型より3mm小さいもの  → 12.7cm 10枚
④ 木型より1.5cm小さいもの → 11.5cm 5枚
⑤ 木型より3cm小さいもの  → 10cm 5枚

4-3 和紙を貼るノリの作り方(わらび粉糊)

当て皮のノリは、わらび粉と水と柿渋でつくります。

弱火で水とわらび粉を温め、ゆっくりとヘラでかき回しながら、少し粘度が出てきたところで火を止め、柿渋を入れていきます。

わらび粉の強力な接着能力と、カビないための柿渋を混ぜて練って作るのです。

わらび粉と水の混合比率は、写真の袋に書いたように

わらび粉35gに水180cc,柿渋90cc

です。(当て皮3個分)

腐敗防止

瓶の中に写っているのが作成したノリです。

わらび粉と柿渋で作ったノリ

竹ヘラで和紙にノリをぬり、貼った上で別の竹ヘラのアールで和紙を平らに伸ばします。

当て皮台に和紙を1枚1枚貼っていきます。

朝1枚、夕方1枚(50枚貼るので、1ヶ月はかかりますよね)

大小の和紙を取り混ぜながら貼っていきます。

貼るときには、最小限のノリを広げて、空気層ができないように、ヘラで均等に貼り付けていきます。

なお、一枚目の和紙は周囲5mm程度だけノリを付け、ツバや内懐にはノリを付けないでくださいね。全部ノリを付けてしまうと、当て皮が仕上がった後、台から外せなくなりますので、おわかりですね。

2枚目以降は全面ノリ付けです。

貼り終わった後は、10日ほど乾かします。


4-4 絽の貼り方と漆塗り

乾燥が終わりましたら、わらび粉ノリで絽を貼ります。空気が入らぬよう、ヘラで均等に平らに仕上げます。(絽はアマゾンで買っています)

更に1週間ほど乾燥させたら、漆塗りの工程に入ります。(漆はホームセンターかネットで買っています)
  漆を3回塗りします。

百均の刷毛で漆を薄く塗り、空の段ボール箱の中で1週間乾かします。刷毛は、すみませんが使い捨てです。

かぶれには十分注意してくださいね、乾いた漆の粉末も、皮膚につくと赤く腫れることがママあります。しっかり使い捨ての手袋して塗ってください。

これを3回繰り返し3回塗りの完成です。

1ヶ月の養生期間で漆塗りは完成です。

当て皮の絽を貼る
絽を円形に切り(台の直径+4cm)、わらび粉糊をヘラで均等に塗り、ヘラで真ん中から外側へ伸ばして均等に貼る。(空気を全て抜く)
しっかり養生する。

当て皮の漆塗り作業(3回塗り)

自作のケガキ(カッターの刃先を竹の細工にセットしたもの。内フトコロ1cm、たこ糸にボンド)

当て皮の漆塗りの養生が終わったら、ケガキですっぽりと台から当て皮を外します。ケガキのフトコロは1cmにしてあります。

バレン芯の太さに合わせて、側面のツバを削っていきます。

ツバの縁から、バレン芯がほんの少し出るところまで、ツバを削るのです。あまり削りすぎると、バレンが仕上がったとき、バレンの縁端部がバレン芯のでこぼこで、微妙な摺の時にキレイに滑らかに摺れない場合が生じるので、あくまでほんのちょっと縁から綱が顔を出す程度の調整(1mmから2mm程度)が必要となります。

削る方法は、厚手のカッターナイフや、彫刻刀の平刀や切り出しを使います。

和紙50枚をノリで塗り重ねた当て皮は、結構頑丈で、削るときは手を切らないよう十分養生し注意してやってください。

漆によるかぶれには十分注意してください。使い捨ての手袋は必須です。

ご存知のとおり、漆は完全に乾いてしまえば皮膚がかぶれるようなことはありません。

4-5 水に強い当て皮

 和紙を重ねて作るバレンは、このとおり結構な時間と手間を要します。自作の当て皮は約20個つくりました。

 当て皮を作る時間のない場合は、師匠からベークライト製の、濡れても困らない高性能の当て皮を、ほんとに廉価で購入しています。〈バレン芯は必ず自作です〉