5.簡単なバレンの包み方

5.簡単なバレンの包み方
5-1 当て皮及び バレン芯を包む竹皮の選び方

バレンを包む竹皮は、当て皮の直径より大きな竹皮を選びます。
(直径12cmや13cmのバレンの当て皮、プラスアルファの幅がとれる竹皮を選ぶ)
和紙と接する面は、肉厚の薄い部分を使います(大体、全長の真ん中くらい)
竹皮の元の方が繊維がキツく筋で凸凹していて、比較的肉厚なので、根元の方は和紙に接する面としてはあまり適さない部位になります。
なので、バレン芯が和紙に直接圧力をかける意味から、比較的肉厚の薄い部位にバレン芯が来るようにセットするわけです。
ここの幅が十分に取れる竹皮を選びます

5-2 包む前の竹皮の処理
① 竹皮を水に浸ける(10分程度でokです)
布でしっかり水分を拭きとる(竹皮が柔らかくなり、加工しやすくなります)
② 竹皮の内側に剪定バサミの柄(お皿のアールでもよい)をあて、バレン芯の当たる範囲周辺をしっかりと繊維を潰す。
(繊維と直角の方向に力をかけ、繊維のツブシを行う)

③ 同様に和紙に接する面も、繊維を軽く潰す。
動画、竹皮の処理(包み皮の目を潰す)

5-3 事前に用意する道具など

竹皮でバレンを包むときの補助バンド(全て百均の材料で作ることができます)

愛用のシリコーンオイル






準備した竹皮を補助バンドで固定し、竹皮を包む作業時にズレないようにする。
この補助バンドの意味は、当て皮を左手で押さえながら、右手の指と左手の指で包み皮を折り込んでいくという、二つの作業を同時に行うという少し複合した作業が求められる時に、押さえが緩んでしまわぬように、竹皮をフィックスさせておくツールとして、補助するためのバンドという意味合いがあります。
包み作業に慣れてきても、この補助バンドがあると、安心して包み作業が出来ます。包み作業時に心の余裕もできるし、うっかり竹皮を割いてしまったりすることも少なくなると思いますよ。

竹皮の元から皮を折り込んでいきます
力を入れすぎると竹皮が割けてしまうので、ふんわりと押し下げながら折りたたむといったような感じで、滑らかになるよう指先の腹で作業してみてください。
ここの作業は、練習あるのみですので、竹皮が割けても気にせず、繰り返しやってみてください、そのうちにうまくなります。

次に、竹皮の先端を折り込み、綱を合わせたら、補助バンドを外します

たこ糸で下方から締め上げを繰り返し、綱同士を一本に強く結びつけます
5-4 うまく簡単に包むためのポイント
竹皮で当て皮とバレン芯を包み、未だ竹皮が湿っているうちに、整形するためハンカチを被せ、荷造りの紐でしっかりと縛り上げ、1時間程度放置し、ハンカチを外すと、比較的キレイな包みになっています


一時間経過しましたハンカチを解いてみましょう
動画、包み皮の成形(ハンカチで成形;今の師匠の考案)
余分なところをハサミで切り落とす
動画、包み皮の成形(シリコーンオイルの塗布)
バレンを包み終わったら、シリコーンオイルで化粧をする。ツヤが出て竹皮の保護にもなる。

バレンを包み終わったら、シリコーンオイルで化粧をする。
不要部分をカットし、シリコーンオイルを塗布します。(ツヤが出るくらい手で塗る)
湿らせた和紙に接するので、その水分からバレンを守る意味がある。
シリコーンオイルはホームセンターかWebで購入してください。摺りの時このシリコーンオイルが大変よく滑り、湿らせた和紙に直接バレンを置いて圧力をかけても良く、トレッシングペーパーなどの介在物も一切不要となります。介在物があると摺りが弱くなります。

移動時に、持ち歩くバレン、8コと16コ
5-5 本摺りする前のなじませ方
バレンの包み皮は使い捨て(消耗品)ですので、穴が開きそうになったら事前にバレンを包みの中で回転させ、穴あきを防ぎます。
ただし、消耗品なので、また摺りには全く影響を与えませんので、早めに取り替えることが重要です。
摺りに影響を与えるのは、重要なバレン芯の小さなコブのなじみが必要なので、試し摺り時に新しいバレンを使い、徐々になじませることが肝要です。
新作のバレン芯はコブのエッジが効きすぎるためです。
肝心な本摺りのとき、準備万端なバレンで摺るのです。
長年、同じバレンを使い続けるとコブがへたりエッジが効かなくなってきます。
そのときは、当て皮からバレン芯を外し、バレン芯の巻き直し(バレン芯を解き、締め直し、和紙に当たるコブの位置をずらす感じで巻き直す)が必要になります。
これらのことから、良い状態のバレンを数種類用意しておくことが最善で、自ずとバレンは複数作っておくことになります。
8コの細芯,8コの普通芯,8コの太芯
16コの普通芯,16コの太芯
これらに、個人個人の必要(版画板面サイズなどにより)に応じたバレンサイズ(直径12cm,13cmなど)を手持ちにしていれば万全ですね。

